【養生】という言葉を聞くと、みなさんは何が思い浮かぶでしょうか。一般的に「養生」と聞くと、【健康に関すること】が一番に思いつくのではないでしょうか。
健康に関する養生は、「生命を養うこと」を指します。具体的には、健康を維持し、増進すること。病気の自然治癒を促すこと、または病気や怪我からの回復に努めることなどを意味します。風邪を引いた方に「ゆっくり養生なさってください」と、声をかけたことがあるのではないでしょうか。
ネットなどで「養生」の意味を検索すると、もう一つの意味がでてきます。それは【保護に関すること】です。傷や汚れを防ぐために保護することも「養生」といいます。建築現場における「養生」とは、【保護に関すること】を意味し、建物や施工物の品質を守るだけではなく、作業時の【安全を確保】するために欠かせない、重要な作業工程です。
・ 品質(保護)に関する養生の具体例
傷 → 建築資材や機器・什器などの搬入の際に、建物内の搬入ルートである通路の床や壁に、クッション材やシートなどを貼ることで、接触による傷などを防ぎます。当社の作業内容としては、改修工事にて空調機器交換工事の際に建物に傷がつかないように、作業ルートの養生をおこないます。近いイメージとしては、引っ越し業者が家具などを運ぶ際に、通路やエレベーターの壁に傷がつかないようにクッション材などを貼って作業しているのと同じです。
汚れ → 塗装工事の際に、塗装しない範囲に塗料が飛び散ったり、はみ出したりしないように、ビニールシート等で覆うことで、塗装しない範囲を汚さないように保護します。
当社の作業内容として、マンションの部屋内の断熱材(ウレタン)吹付け作業前に、配管や配線をビニールシートで覆うように養生します。

・ 安全に関する養生の具体例
開口 → 建築現場には、様々な用途の開口(穴)があり、その開口部からの墜落や資材の落下を防ぐためにおこなわれる安全対策を「開口養生」といいます。
開口養生は、開口部をベニア板や鉄板で蓋をしたり、単管やガードフェンスなどで囲うことで安全を確保します。 例:スリーブ養生、ダメ穴養生、など。
段差 → 「段差養生」は段差によるつまづきや危険を防止し、安全を確保するためにおこなわれる対策のことです。段差をなくしたり、傾斜をつけたりすることで、人や物の移動や運搬をスムーズにする目的で用いられます。

以上のように、建築養生は工事中における建物や設備の損傷を防ぐためだけではなく、現場で働く人たちの安全確保や第三者への事故防止など、重要な役割を担っています。
適切な養生を計画的に施工することで、工事全体の品質が維持され、完成後の不具合や手直しの発生を抑えることが可能となります。
したがって、建築現場での「養生」は補助的な作業ではなく、建築工事を円滑かつ高品質に進めるための基本的かつ不可欠な工程であるといえるのです。

















