工事現場におけるフルハーネス型安全帯(墜落制止用器具)の重要性は非常に高く、作業員の命を守る最後の砦ともいえます。以下に分かりやすくまとめます。
1. 墜落事故の防止・被害軽減
建設現場では、死亡災害の中でも墜落・転落事故が最も多いとされています。
フルハーネスは、万が一墜落しても身体全体で衝撃を分散し、内臓損傷や致命傷を防ぎます。
2. 法令遵守(日本の労働安全衛生法)
日本では2019年以降、
・高さ2m以上:作業床がない箇所等は、墜落制止用器具の使用が必須。
・高さ5m以上(建設業): 原則として「フルハーネス型」の使用が義務化(一般的な基準は6.75m以上ですが、建設業では5mが基準)。
違反すると、事業者・現場責任者の法的責任が問われます。
3. 胴ベルト型との違い
項目胴ベルト型フルハーネス型支持方法腰のみ肩・腿・腰墜落時の負担腰に集中全身に分散内臓損傷リスク高い低い現在の主流限定的原則必須
4. 作業者の安全意識向上
フルハーネスを正しく装着することで、
・危険を意識した行動
・無理な姿勢や移動の抑制
につながり、事故の未然防止にも効果があります。
5. 企業・現場にとってのメリット
・労災事故の減少
・工事の中断・賠償リスクの低減
・会社の信頼性向上
安全対策はコストではなく投資です。
6. 正しい使用が重要
フルハーネスは、
・正しいサイズ選定
・適切な装着、定期点検
・特別教育の修了
が揃って初めて効果を発揮します。
フルハーネスは「あったら安心」ではなく「なければ危険」
一瞬の油断が命取りになる現場だからこそ、
正しく着用し、正しく使うことが最重要です。















