令和7年4月13日から、大阪府大阪市此花区夢洲(ゆめしま)で「2025年大阪・関西万博」が開催されています。開催期間は10月13日までの184日間。コロナ禍による資材・労働力不足から建設工事の大幅な遅れが懸念されるなか、予定通りの開催に漕ぎつけました。
今回の大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
想定来場者数は約2820万人、158各国・地域に加え、国際機関や国内企業、自治体・大学が参加するワールドワイドな一大イベントです。
国内パビリオンではAIやロボットの先端技術を体験でき、海外パビリオンでは各国を象徴するユニークな建築も楽しめます。
ところで、今年3月にギネスに認定された建造物があるのをご存じですか?
正解は…
今回の万博のシンボルでもある、世界最大の木造建築物である「大屋根リング」です。
当建造物は万博開場の中心に設置され、高さ約12m、幅約30m、内径約615m、認定面積は61,035.55㎡(東京ドーム約1.3倍)、全周はなんと約2kmもある円環状の巨大施設です。
当施設は万博のシンボルであると同時に、主動線、来場者を雨や日差しから守る空間、また、滞留空間(休憩場所、または異なる性質の空間間の緩衝となる場所)として機能を有し、さらには大屋根上のスカイウォークには遊歩道となっており、展望台としての機能も持ち合わせています。
この巨大建造物は3つに分けられた工区ごとに施工方法が異なる点があることをご存じですか?
北東部分を大林組JV、南東部分を清水建設JV、西を竹中工務店JVの3社が担当し、各社ごとに独自の最新技術で現行の耐震基準を満たす施工をしています。
特徴的なのは、日本の木造文化を象徴すべく、柱の中央部に開口をあけ梁を差し込む伝統構法「貫接合」を採用している点が挙げられます。これは、日本の木造建築における伝統的な工法で寺社仏閣など様々な建築物で見受けられ、地震に対する耐性が高いという特徴があります。
これ以外にも数多くの建築物が今回の大阪・関西万博では存在感を放っています。
「ウーマンズ パビリオン」では、前回のドバイ万博日本館で使用された建材をリユースした「組子ファザード」(部材を組み上げて作られた建物の外観)が注目されています。
リユースするといっても簡単なことではなく、今回のパビリオン仕様にピース(建材)をどのように組み上げていくか構造の解析を繰り返し、正解にたどり着くまでなんと3ヶ月間を要したとのこと。
解体・施工には大林組と山九の協力を得て、また、解体した一万点に及ぶ部材がどこの場所でどの部材が使用されているかを把握するために、大林組のビジュアル工程管理システムが活用されています。
「ブルーオーシャン・ドーム」では、新素材で作る、軽くて移動できるドーム建築を採用しています。
紙管に加え、竹の集合材、そしてCFRP(炭素繊維強化プラスチック)が使用されています。これらの新素材の活用と構造で廃棄物を出さないパビリオンのあり方を提示するなどの試みもなされています。
実は日本はCFRPの最大の生産国。比重は鉄の四分の一ほどにもかかわらず、強度は約10倍。月面に建築を作る未来などにおいて、軽くて移動しやすいCFRPのポテンシャルは高く注目されています。
施工に関しては、ジョイントは解体しやすいように単純化され、金属は使用せずCFRPのパイプを結束バンドで束ねただけのシンプルな構造であるのも驚きです。
ざっと、大阪・関西万博内の建造物についてご紹介させていただきました。
最先端の展示物に目がいきがちですが、万博開催は、多様な建築の集合体であり「建築技術の実験的な場」であることから、建設業のチカラがいかんなく発揮される、そのような舞台でもあります。
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